牌効率最強決定トーナメントもいよいよ決勝戦。トイツ系牌効率・一般的牌効率・シュンツ系牌効率、そして謎に包まれていた最後の一人の正体はなんとコーツ系牌効率だった。
東1局・東2局と一般的牌効率が得意のスピードをいかし和了りを重ねる。東3局はシュンツ系牌効率が迷彩を効かせた捨牌でリーチするも流局。東4局はトイツ系牌効率がチートイツリーチ。しかしまたも流局。南1局トイツ系牌効率がポンして早和了りにかけるも、一般的牌効率がポンチーと鳴き返し和了りをさらう。
一般的牌効率一人が抜けた展開で後半戦に進む。
南2局
河がトイツ場模様なのを見て一般的牌効率がポンで動く。
ポン()
「フフフ、お前のたくらみは分かっているぞ。前半のお前は和了るというよりむしろ牌を固めることをしてきた。その目的とは後半にこのトイツ場作り出すことなのだ。
そしてそのトイツ場に対応できない他家を尻目に、自分だけが和了りに向かえる環境を作り出そうとしたのだ。
しかし残念だったな。一般的牌効率はそんなやわなもんじゃない。十分トイツ場にも対応できるんだよ」
しかし、その発言を聞いてもトイツ系牌効率は落ち着き払ってニヤリと笑うだけ。
「残念なのはお前の方だ。今のポンでトイツ場に対応したつもりだろうが、そもそもこの場はトイツ場じゃないんだよ。俺が捨牌でトイツ場を演出していたに過ぎないんだ。そしてお前がポンをしたことによりようやく本当のトイツ場が完成したというわけなんだよ」
その言葉どおりトイツ系牌効率の手はドンドン牌が重なり、チートイツの一向聴に。
しかしそこにコーツ系牌効率がポン、そしてさらにダイミンカン。カンドラを丸のりさせてトイトイドラ4のハネマンを和了る。
ツモ カン() ポン()
「放っておくと和了られちまうからな。トイツ場ではなくコーツ場にさせてもらったぜ」
南3局
コーツ系牌効率が前局の勢いそのままに、真ん中の牌をポン、ポンと仕掛ける。
トイツ系牌効率も一般的牌効率も為す術がなく、この局もコーツ系牌効率の和了りかと思われたそのとき、シュンツ系牌効率がリーチ、そしてツモ。リーヅモジュンチャン三色のハネマンを和了る。
ツモ
コーツ場だかなんだかしらないけれど、その先に私たちみたいなシュンツが生きる場があるっていうのは、不思議なもんだねぇ。
オーラス
トイツ系牌効率一人を残して全員が和了トップの状況。トイツ系牌効率伝承者が勝つにはバイマンツモしかない。そのトイツ系牌効率伝承者の配牌はなんとチートイツ聴牌。
第1ツモでドラのを引きWリーチ! 他家は懸命に和了りに向かうがもう一歩のところで届かない。そして海底でトイツ系牌効率伝承者がツモ。
ツモ
ダブリー海底ツモチートイドラドラのバイマンで逆転勝利。
いやぁ、負けたぜ。全くお前は不思議なヤツだな。最後のあれもトイツ系牌効率だったのか?
いや、もちろんアレは偶然だ。見ての通り紙一重。どちらに転んでもおかしくはなかった。
しかし、思うのだが俺たち最強の牌効率を決めるために戦ってきたんだが、それって本当にむなしいことだとは思わないか?
つまり、もちろん俺は俺の打ち方が最強だと信じているが、お前がお前の打ち方が最強だと信じて打っていることを知っているし、それを尊重したいのだ。
そして切磋琢磨しまたいつか戦うこともあるだろうが、勝ち負けではなくむしろ麻雀の神が描くストーリーを楽しみたいと思うのだよ。
そして彼らはそれぞれの道を進んでいくのであった。またの再戦を誓って・・・・・・【完】
コメント