七対子(チートイツ)初期の考え方
これまで述べてきた「トイツ系牌効率」は、4トイツ以上の設定です。それを1トイツや2トイツの時点から適用すれば破綻します。4トイツより前に関しては、別の打ち方が必要になります。それはどのような打ち方なのでしょうか。
普通の打ち方は、一般的な牌効率にしたがって打牌を選択します。一般的な牌効率とはツモ牌が完全にランダムだとして、もっとも受けの広い形をとることです。
ちなみに場の状態を便宜的に4つに分けると、「コーツ場(アンコ場)」「トイツ場」「混合場」「シュンツ場」になると以前書きました。その中でツモ牌が完全にランダムな状態というのは、「混合場」にあたります。つまり一般的な牌効率とは、混合場においての牌効率といえるのです。
以前書いたとおり、通常の場は「混合場」か、多少かたよっても「シュンツ場」です。一般的な牌効率が「混合場」を想定しているは当たり前の話です。そこから機会があれば七対子(チートイツ)を狙うのは、軸足を混合場においた状態で、条件がそろえば体重移動しトイツ場に軸足を移す感じでしょう。一見無駄がないように思えますが、体重を移動させる分、トイツ場への対応が遅れます。
そこで考えたいのは、逆に軸足をトイツ場においた状態で、条件がそろえば混合場へ軸足を移すような打ち方です。これだと七対子(チートイツ)を狙う際、もともと軸足がトイツ場にあるので無駄がありません。もちろんシュンツ場への対応は遅れてしまうので、その対策も必要となります。それについては今後考察しなくてはならないでしょう。
ともかく4トイツ未満時の「トイツ系牌効率」とは軸足をトイツ場におきつつも、柔軟に混合場にも対応できる打ち方であるべきだということです。
七対子(チートイツ)初期での「1・9牌」「2・8牌」
七対子(チートイツ)初期における「トイツ系牌効率」ですが、まずは単独の「1・9牌」から考えてみましょう。
1・9牌
思い起こせば4トイツ時には、それぞれの筋牌である「4・6牌」のトイツが手の内にできたとき、「1・9牌」は切る。つまりからはを切ると書いていました。それを発展させて、初期にとあればを切るのがよいのではないでしょうか。が重なるよりが重なる方が、トイツ場傾向を把握しやすいからです。このがあれば筋のを切るといった手筋は、一般の牌効率とも親和性が高いです。
では筋牌すらない、完全に単独の「1・9牌」はどうでしょう?
単独「1・9牌」もそれほど重要視する必要はないかもしれません。「1・9牌」が重要になるのは基本的に一向聴時で、その順序は「オタ風牌」>「役牌」>「1・9牌」>「2・8牌」>「3~7牌」と3番目です。それぞれの種類の数が「オタ風牌=3種類、役牌=4種類、1・9牌=6種類、2・8牌=6種類」ということを考えると、「1・9牌」の代用を「2・8牌」でしてもよいでしょう。
あるいは一向聴時必要な牌は3枚なのですから、「オタ風牌」と「役牌」で十分カバーできるかもしれません。よって単独「1・9牌」は積極的に切ってよい牌になります。
2・8牌
次に単独の「2・8牌」を考えて見ましょう。
七対子(チートイツ)において「2・5・8牌」がそれほど重要な牌でないことは、これまで説明してきました。ですから序盤から特に「2・8牌」を積極的に切っていくことは問題ありません。
微妙なのが「1・9牌」と「2・8牌」の比較です。トイツ場傾向をつかみやすいのは「2・8牌」>「1・9牌」です。山にあることが読みやすいのは「1・9牌」>「2・8牌」です。
しかし「1・9牌」の山読み精度が上がるのは特に終盤の話です。序盤では、牌種によって山読みできるできないの差はあまりありません。トイツ数が4未満ということは序・中盤である可能性が高いので、それを踏まえるとやや「1・9牌」を先に切る方が優位でしょう。さらにそこから発展させて、というペンチャンを落とす場合の順序ですが → が手筋となります。
このよりもを優先して切るという考え方は、はがくればリャンメン塔子になるがは一手でリャンメン塔子へ変化する手がない。またの切り順が → なのはを切った瞬間にがくればのカンチャン塔子になり、そうなれば別のペンチャン部分のに手をかけるといった、シュンツ手の手筋にも出現しますので、やはり一般の牌効率とも親和性が高いです。
「ペンチャン塔子」と「単独牌」の比較
今回は七対子(チートイツ)初期における「ペンチャン塔子」と「単独牌」の比較です。
ペンチャン塔子と2・8牌の比較
これまで述べたようにがあるときのは不要牌です。しかしがあるときの・は不要牌ではありません。むしろがトイツになっている場合の筋牌である・は、重ねることによってトイツ場傾向把握しやすくなりますので残すべき牌になります。とはいえ以前説明したように、・・はそれほど重要な牌ではありませんので、積極的に切っていく牌ではあります。
つまりからは切りですが、からは切りになります。その理由は以前書いたとおり、シュンツはもちろん塔子も重要視するからです。「トイツ系牌効率」とはいえ、序盤は軸足をトイツ場におきつつも、柔軟にシュンツ場にも対応できる打ち方であるべきです。
ペンチャン塔子と3・7牌の比較
しかし塔子を重要視するとはいえ、それは絶対的なものではありません。「ペンチャン塔子」と「3・7牌」の比較では「3・7牌」>「ペンチャン塔子」となります。とあった場合、切りになります。単純に牌個別のトイツ場把握力では > > だからです。
シュンツ場として考えたとしても単独「3・7牌」と「ペンチャン塔子」の比較は難解です。現代麻雀技術論では「基本的に3~7 < ペンチャン」とありますが、それに続けて「ただこれは他の形や河の状況によって変化することが多い」と書かれてあり、その判断は微妙です。
よって軸足をトイツ場に置く「トイツ系牌効率」においては、「3・7牌」>「ペンチャン塔子」という結論となります。
ペンチャン塔子と4・6牌の比較
では「ペンチャン塔子」と「4・6牌」の比較はどうでしょう? から切りなのは以前述べたとおりで、かつ一般牌効率の手筋としても通用しますのでわかりやすいでしょう。
しかしから切りか切りかは非常に微妙です。はのトイツとのコンボがあってこそ威力を発揮する牌です。したがって単独ではそれほどで有力ではありません。なので、切ってしまってよいかもしれません。
しかしそれに+1枚あった場合、仮になら切りなのは問題ないでしょう。なら塔子の比較になり、切りになります。・・が付け加わった場合も同様です。つまり+1枚があることによっては切られない牌になる可能性が大きくなるのです。よってこの比較は河の状況によって決定されるべきです。に関する色が高ければ切り、安ければ切りとなります。
ペンチャン塔子と5牌の比較
最後「ペンチャン塔子」と「5牌」の比較です。の場合はが加わった場合を含む塔子の方が優位になります。でを含む塔子の方が優位になるのを考えた場合の3種類になります。の4種類と比べて1種類減っています。
チャンス25%減ということを考えますと、の場合よりは残す価値が低いと考えられます。もともとから切りか切りかは微妙なので、からは切りとなります。
またからはが加わった場合、を含む塔子が優位になります。よってと同様に、に関する色が安ければ切りとしてもよいです。
ただ、「2・5・8牌」がそれほど重要な牌ではないことは、これまで述べてきたとおりです。よっての時よりもの方が、ペンチャン塔子残しに判断は傾きやすくなるでしょう。
中膨れ形について
今回は中膨れ形について考察します。
のシュンツにをツモってきたとします。するととなり、これはとの2つのリャンメン塔子ができたとも考えられ、非常によい形です。この中膨れ形ができた場合、そうそうこの形を崩すことはないでしょう。
「トイツ系牌効率」的に見ると、その利点に加えのトイツができていることもプラスされます。なので、中膨れ形は序盤において最高の形です。よって七対子(チートイツ)に進むにしても、基本的に4トイツにならない限りこの形を保つことが多いでしょう。
ではの形はどうでしょう? 先ほどの形と比べるとととなり、片方がペンチャン塔子であるため受け入れ枚数が少なくなっています。また先ほどの中膨れ形では必ず待ちが両面になる利点があるのに対し、では2/3の確率でペンチャン待ちになってしまいます。そういったことからからを切ってシュンツを確定させたり、を切ってタンヤオを目指すことが普通の牌効率では多いのではないかと思います。
しかし「トイツ系牌効率」というのは、序盤は軸足をトイツ場におきつつも柔軟にシュンツ場にも対応できる打ち方であるべきです。ならばはトイツにもシュンツにも対応できる形ですので、と近い程度に重要視すべきです。
ここからをツモりとなった場合、とというリャンメン塔子+カンチャン塔子の形になります。のカンチャン塔子より強い形が他であった場合、「トイツ系牌効率」の手順にしたがってを切りの形にするのがよいでしょう。この形であってもトイツ・シュンツ両方に対応できるからです。
つまりからは切りになります。(カンチャン塔子と単独牌の比較は、後ほど考察します)
4トイツ(場合によっては3トイツ)になり「トイツ系牌効率」の中期に入った場合のの捌き方ですが、のトイツがあるため、トイツになってもトイツ場傾向がつかみづらいから基本的に切ります。のトイツがあるためは準オタ風牌化していますので、役牌相応か場の状況からそれ以上の扱いになることもあります。
七対子(チートイツ)初期における字牌の扱い
今回は七対子(チートイツ)初期における字牌の扱いについて考察してみたいと思います。
字牌と一括りにしてしまいましたが、「オタ風牌」と「役牌(場風牌を含む)」に分けて考えます。まずそれぞれの種類数ですが、「オタ風牌」は3種類、「役牌」は4種類の合計7種類になります。数牌の種類数が27種類ですので、それぞれ「8.8%」「11.8%」、字牌全体でも「20.6%」とだいたい5枚中1枚しか含まれていない計算になります。
ところで麻雀は社会の縮図といわれることがよくあります。ヒッカケリーチに振り込んでしまったり、他家の鳴きによってツモることができたり、などまさに人生そのものでしょう。では麻雀を教訓として実生活にいかそうとするなら、逆に実生活を教訓として麻雀にいかせるものもあるのではないでしょうか?
それを踏まえて考えてみると、ふと思いつくことがあります。
ダイヤモンドや金、プラチナなどが高価で大切にされるのはなぜでしょう? それは数が少ないからです。数が少ないものは貴重で、慎重に扱われるべきなのです。麻雀に置き換えて考えてみましょう。数が少ない「字牌」はやはり貴重で、慎重に扱われるべきなのではないでしょうか?
さらにいえば七対子(チートイツ)一向聴以降における残すべき牌の考察より、七対子(チートイツ)の一向聴以降に残す優先順位は同条件ならオタ風牌>役牌>1・9牌>2・8牌>3~7牌となります。
「トイツ系牌効率」というのは、軸足をトイツ場におく打ち方ですので、そういった意味からも序盤だからといって簡単に字牌を切ることはできないのです。
オタ風牌
まず「オタ風牌」から考えて見ます。
もちろん自分から切り出すことはまずありません。では他家が1枚切ってきたらそれに合わせるのでしょうか? いいえ、その場合は基本的に1巡待ちましょう。その1巡の間に他家から合わせ打ちがあり、合計で2枚以上が捨てられたならそのときは自分も捨てることになります。
河に2枚自分に1枚ということは山には1枚あることが想像できますが、それだと自分が重ねられる可能性は25%に過ぎず、しかもそれはトイツ以上にはならないのです。序盤においては柔軟にシュンツ場にも対応できる打ち方であるべきですので、河に2枚捨てられたらそのときは合わせましょう。
1枚切られてその1巡に合わせ打ちがなかったなら、その牌は基本的に持ち続けることになります。合わせ打ちがないということは山に2枚あることが想像できます。自分が重ねられる可能性は50%ですし、場合によっては暗刻になるかもしれません(もちろん暗刻になる可能性は相当に低いので、期待はできませんが・・・)。
このオタ風牌残しは将来七対子(チートイツ)になったときエース牌になるからという理由もありますが、それだけではありません。一番の理由はあわてなくてもすぐに他家から2枚目の牌が切られるので、それに合わせればよいからです。それよりも先に数牌の不要牌整理を優先すべきだということです。そしてもう1つ理由があります。
先ほど1枚切られてその1巡に合わせ打ちがなかったなら山に2枚あることが想像できる、と書きましたがそうではないケースももちろんあります。
そのオタ風が自風になっている他家が自分と同じ考えで山に2枚残っていると想像し、残している場合です。この場合山に残っている牌は1枚です。
その1枚は50%の確率で自分・相手以外に渡り、すぐに捨てられるでしょう。このときは2枚目切られたのでそれに合わせて問題ないでしょう。
25%の確率で相手に渡ります。この場合2枚目が切られないので自分からその牌を切ることがありません。相手は鳴くことができません。つまり絞ることになるのです。牌を絞ることによって自分の手の進行が妨げられるのは損であるというのが現在一般的かもしれません。ですが、七対子(チートイツ)はもともと和了れればラッキー程度の諦めの手役です。自分以外の1人を止められるならそれで良しとします。
25%の確率で自分が重ねることになります。この場合雀頭にするか、展開によっては予定とおり七対子(チートイツ)に向かえばよいでしょう。また他家から先制攻撃を受けた場合、そのオタ風トイツは安全牌として機能することになります。
以上によりたとえ他家が持っていた場合であっても、自分が残しておくことによって大きな損はないといえるでしょう。
役牌
「役牌」に関しても先ほどの理由により「オタ風牌」に準じた扱いになります。つまり基本的には他家の2枚目を待って合わせ打ちですが、他家から2枚目が切られない場合絞ることになる可能性が「オタ風牌」より高まります。もちろん絞る立場になってしまったら和了りはなくなります。そこで手牌の他の部分の構成により和了れる手であると判断できるのなら、1枚目から合わせ打ちもあるかもしれません。
オタ風牌に関しても同じことが言えないことはないですが、やはりこれは基本的には「役牌」の手順になります。なぜなら「役牌」は手が進み押し出される格好になって切った場合、それで役がついてロンされたり、また「+1翻」のために点数の損失が大きくなる可能性があるからです。「オタ風牌」については相対的にその可能性が低くなりますので、2枚目を待つほうがよいのではないかと考えられます。
さて、序盤の「オタ風牌」「役牌」に関して捨てる条件を「他家の捨て牌」から考察してきました。しかしもちろんその条件は「他家の捨て牌」だけで決められるわけではありません。先ほど少し出てきましたが自分の手の進行状況によって「オタ風牌」「役牌」が押し出されることもあります。それについては次回に考察しようと思います。
カンチャン塔子と「3・7牌」
今回はカンチャン塔子と「3・7牌」について考察してみたいと思います。
なぜカンチャン塔子と対抗するのが「3・7牌」かというと、以前述べた通り、数牌の中で鍵になるのが「3・7牌」だからです。ということでとと、この3つの例を考察します。
「現代麻雀技術論」ではこうあります。
赤ドラを考慮すれば、内カンチャンは46>35,57、外カンチャンは24,68>13,79。聴牌時の待ちは端にかかったほうが和了しやすいので赤無しなら逆になる。外カンチャン以上の搭子は3~7を含むので孤立3~7の上位互換・・・
ということで「現代麻雀技術論」的に考えれば、赤ドラがある場合・・からは、すべて切りということになります。
少しややこしいのが赤ドラがない場合です。その場合「13>24」になるのですから、からどれを切るかが上記の「現代麻雀技術論」の記述だけではわかりません。そこで少し話をもどして「ペンチャン塔子」と「単独牌」の比較にでてきた、の形を思い出してみましょう。「現代麻雀技術論」では「基本的にペンチャン > 3~7」とあります。単にこれに従えば当然ペンチャンよりもカンチャンのほうが価値は高いですから、からは切りということになるでしょう。
ということで、赤ドラがあろうが無かろうが、・・からはすべて切り・・・と結論付けてしまうなら何のための考察なのかわかりません。
「ペンチャン塔子」と「単独牌」の比較にも書きましたが、「現代麻雀技術論」では「基本的にペンチャン>3~7」の記述に続けて「ただこれは他の形や河の状況によって変化することが多い」と書かれてあります。そこからトイツ場に軸足を置く「トイツ系牌効率」においては「3・7牌」>「ペンチャン塔子」という結論をだしたわけです。
そこででのの扱いを見分けるために必要なことは、との差の程度を見分けることになります。まずもも同じという1種類の牌によってシュンツが完成します。この点において差はありません。差が出るのはからがきたときで、そこでを切りというリャンメン塔子にレベルアップします。からはがきても、を切ってというリャンメン塔子の一歩前の段階になるのみです。
差がついた後のとではシュンツが完成する牌の種類が2種類と1種類ですので明らかに>です。そこからその前段階の > といえるのですが、その差は果たして > ほど大きいものなのでしょうか? レベルアップした後の形には差がありますが、その前段階の形だけでは差がないといえないでしょうか?
= であるなら、以前述べた通り < ですから、 < となります。なのでから1枚切ることになります。との優劣ですが七対子(チートイツ)初期においてはトイツ場傾向の把握という点で < です。つまりからは切りという結論です。もちろんここからがきてとなれば、そのときは切りになります。切りはこのリャンメン塔子への変化の含みを残しておくという意味もあったのです。
さて思い返してみるとこの話は赤ドラなしの話でした。しかし、から切りという判断において赤ドラの存在はほとんど影響していません。つまり赤ドラがあろうが無かろうがからは常に切りなのです。
その他の形についても考えてみましょう。「現代麻雀技術論」では赤ドラありは > でした。確かにドラのを面子に組み込みやすいのはの方が上なので、その優劣になります。ではからは切りなのでしょうか?
単純に牌ごとの比較をしてみましょう。まずトイツ場傾向の把握という点で < そして < です。そして塔子重視の点では > となります。単純に考えればから切りとなりますが、よくよく考えて見ますと > となっているのはがあるからです。そのがなくなってしまうとフリテンの可能性も出てきますし、孤立させられる牌の数が1枚少ないわけですから < となってしまいます。
つまりこのは単なる単独「1・9牌」よりも重い牌になるのです。そこでやはりからは塔子重視の法則からも切りがやや優位になるでしょう。しかしこの差は微妙ですのでトイツ場傾向が明らかに感じられるのなら、を切っての残しも1つの手かもしれません。
そうなればについては、からリャンメン塔子への変化が十分見込まれるので、明らかに切りが優勢になります。
まとめますと、こうなります。
からは切り、からは切り、からは切り。
ここでややこしいのはから何を切るかということです。候補はかあるいはでしょう。つまりジャンケンの「グー」「チョキ」「パー」のように・・が三すくみの状態になってしまっているのです。
さてここでようやく前回の七対子(チートイツ)初期における字牌の扱いで最後に書いた話になります。
からを切るなら特に問題ありません。これはトイツ系牌効率の手筋ですから、ひき続き軸足をトイツ場におきつつも柔軟にシュンツ場にも対応できる打ち方になります。
を切ろうとするなら少し待ちましょう。この切りは軸足をトイツ場ではなくシュンツ場に移す意志を明確に示すものです。であるならば先に処理すべき字牌があるのではないでしょうか? 前回の最後に書いた「自分の手の進行状況によって「オタ風牌」「役牌」が押し出されることもあります」というのがこのことです。
またからの、からのも同様の扱いです。つまりトイツ系牌効率の初期において「三・七牌」を切り出すのは、トイツ系牌効率から通常の打ち方に転換することを意味するのです。
カンチャン塔子と「4・5・6牌」との比較、単独牌とは
前回やそれ以前の補足を・・・
前回結論としてからは、からは、からはと書きました。では比べられる単独牌が「3・7牌」ではなく・・ならどうなるのでしょうか?
カンチャン塔子と「4・5・6牌」
単独牌の価値は「3・7牌 > 4・5・6」ですから、単独「3・7牌」が切れらているやとの比較では同じように単独の・・が切られるのは問題ないでしょう。
ではと単独・・との比較はどうなるのでしょうか?
まずですが、これは前回出てきたに準じて切りになります。しかしからの切りと切りの判断が微妙だったように、から切りがないわけではありません。ただからの切りが軸足をシュンツ場へ移すものであったように、からの切りはトイツ場の軸足をよりいっそう踏み固めたものであるといえるでしょう。
からは切りになります。これは「ペンチャン塔子」と「単独牌」の比較で「その牌種が山にある状況がよほど顕著に河に現れない限り「ペンチャン塔子 > 5」となる」となっていますので、そのペンチャン塔子と同格かそれ以上の価値をもつとの比較では、当然が切られることになるからです。またトイツ場傾向の把握のためには単独「4・6牌」と単独「5」の比較でも「4・6牌 > 5」となるからです。
単独牌とは
さてこれまで単独牌と言ってきましたが、何をもって単独牌とするのかも考察する必要があるでしょう。一番わかりやすい単独牌の例はそ牌の周り「±2」の範囲に牌がない状態でしょう。つまり「5」の場合はその筋牌である「2・8牌」を含めてそれより外の牌があっても、「2・8牌」より内側の牌が無ければ「5」は単独牌になるということです。
ではのは単独牌といえるのでしょうか? をシュンツと考えればは単独牌になります。しかしをリャンメン塔子と考えると、はカンチャン塔子になります。これはその他の部分がのカンチャン塔子以上の形であるならは単独牌、そうではないならはのカンチャン塔子の一部とみなされます。
つまりでのは > ですのでカンチャン塔子の一部となり切り。でのは < ですので単独牌となり切りになります。
同ようにもとのリャンメン塔子2つの形に見ることができますし、はのペンチャン塔子のリャンメン塔子と見られます。つまりその他の部分によっての・や、の・が塔子の一部であったり単独牌であったりするのです。
でははどうでしょう? のペンチャン塔子とはのカンチャン塔子と見ることができます。から切るべき牌を考えると < ですのでは切れません。かといってはシュンツの一部ですので切れません。このときのは単独牌と判断され、 < ですのでからは切りとなるのです。つまりというのは > にもかかわらずが切られるという非常に面白い形なのです。
「3トイツ」は特別な状況
いままでさまざまな考察を重ねてきましたが、やはり「3トイツ」は特別の状況であると考えるべきであることが分かりました。つまり「トイツ系牌効率」において、七対子(チートイツ)という役が成就するまでの流れを整理してみますとこうなります。
【初期】0~2トイツ→【分岐点】3トイツ→【中期】4トイツ→【後期】5トイツ(一向聴)~
それぞれの場面ごとによって牌効率の考え方がガラッと変わるのが「トイツ系牌効率」の特徴でしたが、では「3トイツ」の場面ではどのような考え方になるのでしょうか?
基本的には【初期】0~2トイツの時と考え方は変わりません。「軸足をトイツ場におきつつも柔軟にシュンツ場にも対応できる打ち方」を心がけるということです。
ところで普通の牌効率では、3トイツある場合トイツ1つを崩すのが基本手筋です。それをあえて3トイツのまま残してあるということは、トイツ場にある軸足が、かなり踏み固められている状態と考えてよいでしょう。
それを踏まえて今まで考察してきたこと振り返ると、優劣が微妙で、結論が出ていないものがいくつかありました。それらについては3トイツというトイツ場に寄った立ち位置から考えるなら、結論が出るものがあります。
まずについて、0~2トイツからはとの差は微妙ですが、3トイツからは基本的に切りになります。「ペンチャン塔子」と「単独牌」の比較では河の状況で決めるとありましたが、トイツ化されたときのことを優先で考えると、その有利さから考えてを残すことになるからです。
またについて、0~2トイツからはとの差は微妙ですが、3トイツからは基本的に切りになります。理由はカンチャン塔子と「3・7牌」についてにあるとおり、ここからの切りはシュンツ場に軸足を移す打ち方であって、3トイツという場の性格に合致していないからです。もちろんそれほど大きな差ではありませんので場の状況によって、柔軟に対応することは言うまでもありません。
また以前の考察において「やや優位」とされていたものについても、3トイツという特殊な状況においてその価値が逆転するケースも見られます。
について、序盤は基本的に切りが優勢と結論付けられていましたが、これは0~2トイツのことであり、3トイツからは切りになります。またについて、序盤は基本的に切りが優勢と結論付けられていましたが、これも0~2トイツのことであり、3トイツからは切りになります。
理由は以前書いたとおり、それがトイツ場の軸足をより踏み固める打牌で、3トイツという場に合っているからです。繰り返しになりますが、もちろんそれほど大きな差ではありませんので場の状況によって、柔軟に対応することは言うまでもありません。
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