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土田システム・トイツ理論の解明【トイツ系牌効率4】

麻雀の新戦術 トイツ系牌効率

チートイツを語るにあたり、どうしても避けられないテーマがあります。そうです。「土田システム・トイツ理論」です。いよいよその解明に乗り出します。

トイツ教の経典ともいわれる「最強麻雀 土田システム (マイコミ麻雀BOOKS)」があります。そのレビューには、「オカルト100%」「電波全開」「めちゃくちゃ」「一般人には理解できない」「冗談半分」「ギャグ」などとあり、さんざんな言われようです。

しかしこれまで説明してきた「トイツ系牌効率」の考え方を通してみると、「土田システム・トイツ理論」は、思いのほか筋の通ったシステムというのが理解できるでしょう。

土田システムの解明

土田システムとは

そもそも「土田システム」とは何なのでしょうか? 知らない方のために「最強麻雀 土田システム」のP70より引用します。

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  1. 手牌にあるトイツのスジ牌が重なる
  2. トイツの遠いスジは重ならない
  3. リャンメン部分がトイツになったら、即リャンメン部分を拒否して隣を捨てる
  4. イーペーコー部分は完成しやすい

いろいろ突っ込める部分がありますね。

まず「Ⅰ」と「Ⅱ」を総合して考えると、1萬1萬4萬7萬のときの4萬は重なるけど7萬は重ならないということでしょうか。では1萬1萬4萬4萬7萬のときの7萬4萬4萬の筋なのか? それとも1萬1萬の遠い筋なのか? どちらになるのでしょうか。

「Ⅲ」と「Ⅳ」を総合して考えると、2萬3萬4萬4萬から2萬を重ねて2萬2萬3萬4萬4萬になったとします。2萬3萬のリャンメン部分がトイツになったから3萬を切るのか? それともイーペーコー部分なので残すのか? どちらになるのでしょうか。

いや、私は土田浩翔先生のシステムに、ケチをつけているのではありません。上記のシステムは非常に平易な言葉で書かれているため、逆にその意図が見えづらくなっているのです。

しかし本来は、きちんとした理屈にしたがって示されたシステムなのかもしれないのです。その一端を私が解明していきたいと思います。

手牌にあるトイツのスジ牌が重なる

まずは「Ⅰ・手牌にあるトイツのスジ牌が重なる」からです。

これは今までに何度も説明しました。「トイツ場だから筋が重なる」のではなく、本来は「筋が重なるからトイツ場と判断できる」が正しいです。しかしそこをあえて「トイツ場は筋牌が重なる」と言った、土田浩翔先生の意図については、ここでは繰り返しません。詳しくは「トイツ場と筋牌の関係」を参照してください。

トイツの遠いスジは重ならない

次に「Ⅱ・トイツの遠いスジは重ならない」です。

筋には「1-4-7」「2-5-8」「3-6-9」の3種類があります。このうちこのシステムに明確に当てはまるのは、「1-4-7」の「1」と「3-6-9」の「9」です。

具体的に言うと1萬4萬7萬とあった場合7萬が重なり、1萬4萬7萬7萬となれば、このシステムどおり、遠い筋の1萬を切ります。4萬を残す意図はわかりますね。これも今まで何度も述べてきましたが、7萬がトイツになったときの4萬はトイツ場を計る鍵だからです。かつシュンツ手をやっている人にとっても、待ちになりやすい牌でもあります。

それに対して1萬は、単なる端牌にすぎません。「1・9牌」だから山に残っているかが読みやすいのは確かです。しかし、首尾よくその後4萬を重ねることができたなら、そのメリットも薄くなります。スライドの可能性が少なくなるので、1萬は切られづらくなるからです。「4トイツ時(二向聴時)の1・9牌」の項でも説明しましたね。

したがって、3萬3萬6萬9萬9筒とあれば同じ端牌ですが、9筒ではなく9萬を切ります。近い筋の6萬は狙いますが、遠い筋の9萬は重ならないと考えて、切ってしまうのです。

ちなみに「2-5-8」の筋についても、消極的にですが同様のことが言えます。

相手が6萬7萬8萬と持っているとします。その相手が5萬をツモれば、スライドで端に近い8萬が打たれることが多いです。しかし2萬2萬5萬5萬8萬と自分が持っていた場合、自分が5萬をトイツで持っているため、そのスライドは起こりにくいです。つまり8萬の山読みがしづらいのです。

確かに8萬を重ねることに成功して、2萬2萬5萬5萬8萬8萬と筋を押さえられたら、他家は手作りがしづらくなります。ですが、「2-5-8」と二筋おさえてできるのと同様のことが、「3-6」「4-7」と一筋おさえるだけでできると考えると、やはり「2-5-8」は効率が悪いです。

そういうことで2萬2萬5萬8萬となれば、近い筋の5萬は狙いますが、遠い筋の8萬は狙わず切ります。

以上のことから、土田浩翔先生は「トイツの遠いスジは重ならない」と考えて、それほど大事に取っておかなくていいんだよ、とおっしゃっているのです。(知らんけど・・・)

両面部分がトイツになったら、即リャンメン部分を拒否して隣を捨てる

そして「Ⅲ・リャンメン部分がトイツになったら、即リャンメン部分を拒否して隣を捨てる」です。

これも今まで何度も例に出てきましたね。3萬3萬4萬6萬からは4萬を切るなどです。トイツ場の傾向を読み取るために筋牌が大切であることを、私は何度もこの研究発表で述べてきました。

またトイツ場の傾向を読み取るために、重なれば制限する牌が多いように残す、とも言ってきました。上記のシステムはそれの逆説的表現(?)ともいえるのではないでしょうか。

イーペーコー部分は完成しやすい

最後に「Ⅳ・イーペーコー部分は完成しやすい」です。

たとえば4萬4萬5萬6萬6萬とあった場合、先ほどの「Ⅲ」の説明では、仮に5萬を重ねることができても、それでトイツ場の傾向が読み取れるわけではありません。なので4萬4萬5萬6萬6萬から5萬を残す価値は低いと思われます。

しかし自分が4萬4萬6萬6萬をトイツにしているなら、相対的に他家には4萬6萬が存在する可能性が低く、5萬があった場合は孤立している可能性が高くなります。当然孤立した5萬は場に出やすい牌になります。つまり「準字牌」扱いになるのです。

そういったことで普通の5萬よりは大切にすべきであるという意味をこめて、土田浩翔先生は「イーペーコー部分は完成しやすい」としたのではないでしょうか。

では3萬3萬4萬4萬5萬5萬はどうかというと、4萬4萬のトイツを薄い壁と考えて、この5萬は「準1・9牌」扱いになります。ただこの場合の5萬は普通の5萬よりは価値が上がりますが、イーペーコーのカンチャン部分に比べると価値が下がることに注意しなくてはいけません。

そして一番注意しなくてはならないのは、この「イーペーコー部分は完成しやすい」は、基本的に3トイツ以下で使うべきシステムである点です。3トイツ以下では、いくら七対子を意識しても面子手と天秤にかける必要があります。その意味では、このイーペーコー部分は最適の形です。

ですから4トイツになり七対子に振り切る場面では、その前のシステム「リャンメン部分がトイツになったら、即リャンメン部分を拒否して隣を捨てる」を使う場面が増えます。

例えば、3萬3萬4萬4萬5萬5筒という同種牌の比較では、「イーペーコー部分は完成しやすい」に従って、5筒切りでいいでしょう。しかし3萬3萬4萬4萬5萬4筒では、牌のランキングに従って5萬切りになります。

カンチャン型のイーペーコーは、孤立の確率がより高まります。よって牌のランキングを一つずらして判断するのが良いです。つまり4萬4萬5萬6萬6萬4筒からは4筒切りですが、4萬4萬5萬6萬6萬1筒からは5萬切りです。

土田システムの「Ⅲ」と「Ⅳ」は、矛盾しているように思えます。しかし、そうではありません。それらはトイツ数の違いや、その他の状況によって、臨機応変に使い分けるべきシステムなのです。

「土田システム」として書籍に書かれてあるものの解明(?)は以上です。しかし土田浩翔先生は、書籍の別の部分で、トイツができる仕組みについて語っています。そこには「土田システム」以外のことも書かれてあります。そのトイツができる仕組み、つまりトイツ理論の解明は次章にて行います。

トイツ理論の解明

前回挙げた「土田システム」とは別に、土田浩翔先生はトイツ手の特徴に触れています。具体的には、著書「最強麻雀 土田システム (マイコミ麻雀BOOKS) 」P64に、「相似形になりやすい」を挙げています。

さらに詳しく、「マイコミ麻雀文庫 土田システム 麻雀が強くなるトイツ理論」のP186に、「並びトイツ」「跳ねトイツ」「二色トイツ」という3つの例を挙げています。

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それぞれの例を1つずつ見ていきましょう。

並びトイツ

まずは「並びトイツ」について、「マイコミ麻雀文庫 土田システム 麻雀が強くなるトイツ理論」から引用します。

手中に1萬1萬2萬2萬とか5筒5筒6筒6筒のように同色でトイツが並びで入っている場合、その他の色でも同ように並びトイツが生まれやすい・・・この並びトイツはツキが自分から離れはじめた頃に作動しやすい

さぁ、ここから何を読み取ればよいのでしょうか。今まで筋牌の大切さについては、何度も繰り返してきました。そこから逆説的に考えてみましょう。

Aさんが「土田システム」あるいは「トイツ系牌効率」にしたがって、4筒4筒7筒7筒と筋を固めることに成功したとします。一方Bさんの手には5筒5筒6筒とあり4筒7筒を引いてのシュンツ手を考えていました。しかし、4筒7筒はAさんが固めて持っているので、なかなかシュンツが完成しません。やがてBさんは6筒を引いて、手が5筒5筒6筒6筒となります。これが並びトイツ発生のメカニズムです。

土田浩翔先生は「並びトイツはツキが自分から離れはじめた頃に作動しやすい」とおっしゃいました。確かにシュンツ手を目指しているBさんにとって、5筒5筒6筒からの6筒ツモはツキが離れはじめたと感じさせるに十分でしょう。

さらにAさんは「土田システム」あるいは「トイツ系牌効率」で打っているので、他の色でも3萬3萬6萬6萬と筋牌を固めているかもしれません。するとBさんの1萬1萬2萬という手はそこから3萬を引いてシュンツを完成させるのではなく、1萬1萬2萬2萬と並びトイツになる確率の方が高くなり、並びトイツが並びトイツを引き寄せる現象が起こるのです。

つまり「筋トイツ」は積極的に狙いに行っての結果です。しかし「並びトイツ」は場の流れに翻弄されての結果とも言えます。

「土田システム」においては、本来5筒5筒6筒とあれば6筒を切るのが手筋です。「トイツ系牌効率」にしても同様です。なのでトイツ場に対応できているなら、並びトイツは生まれないはずです。

その意味でも「並びトイツ」が生まれてしまった場合、後手を踏んでいることを自覚しながら別の並びトイツ完成を狙うことでトイツ場に対応する、ということでしょう。(本当か?)

跳ねトイツ

次は「跳ねトイツ」について、「マイコミ麻雀文庫 土田システム 麻雀が強くなるトイツ理論」から引用します。

手中に1萬1萬3萬3萬5萬5萬とか2萬2萬4萬4萬6萬6萬などのように三段跳びのような形で生まれるパターンと、単純に1筒1筒3筒3筒4萬4萬6萬6萬のように違う色でカンチャンターツが生まれるパターンがある。ツキが完全に離れてしまった時間帯におけるトイツ作りには欠かせぬシステム

まず2萬2萬4萬4萬6萬6萬の三段跳びパターンから見ていきましょう。実はこのような形になることは、「トイツ系牌効率」において、そうそうありません。

例えば、2萬4萬4萬6萬6萬となった場合、2萬を重ねなくても1萬2萬3萬5萬を制限するので、2萬切りが手筋です。2萬2萬4萬6萬6萬となった場合も同様に4萬切りが手筋です。

2萬2萬4萬4萬6萬なら6萬は即切るという牌ではありません。しかし2萬2萬4萬6萬からは4萬切りが手筋ですし、2萬4萬4萬6萬からは2萬切り(この場合は6萬切りとの優劣は微妙)です。

よって、2萬2萬4萬6萬2萬4萬4萬6萬の形が残ることがそもそもないので、トイツ場に対応しているなら2萬2萬4萬4萬6萬の形にはなり得ないのです。

つまりこの三段跳びパターンは、トイツ場に対応していたら完成しないわけですから、狙って作るものではありません。

1筒1筒3筒3筒4萬4萬6萬6萬のパターンについても同様です。

土田システムに「リャンメン部分がトイツになったら、即リャンメン部分を拒否して隣を捨てる」とありましたが、カンチャンも基本的にはそれに準じます。重ねられた際に制限牌がより多くなるように残すのが「トイツ系牌効率」の基本手筋ですので、たとえば1筒1筒3筒3萬とあれば3筒切りになります。

また、重ねられた際に制限牌がより多くなるという意味では、カンチャン部分はリャンメン部分よりは有用です。しかし筋牌ほど有用ではありませんので、たとえば1筒1筒3筒4筒とあれば3筒切りになります。つまりトイツ場に対応できているなら、「跳ねトイツ」を待つ形自体になりにくいのです。

よって仮に偶然が重なって1筒1筒3筒3筒となったとしても、他色で4萬4萬とある場合の2萬6萬はすでに切られているはずです。

まとめますと「跳ねトイツ」が完成するということは、偶然かあるいはそのほとんどが手順ミスです。

土田浩翔先生は「ツキが完全に離れてしまった時間帯におけるトイツ作りには欠かせぬシステム」とおっしゃっています。しかしこれは逆説的表現で、「跳ねトイツ」が完成してしまうのは「トイツ場に対応できていない」、もしくは「手順ミスがある」ということです。なので、今の自分にはツキがないと思って慎重になりなさい、とおっしゃっているのです。(知らんけど…)

二色トイツ

最後に「二色トイツ」について、「マイコミ麻雀文庫 土田システム 麻雀が強くなるトイツ理論」から引用します。

三色同刻の遠い親戚みたいなもので、たとえば3索3索3萬3萬と手にあるとき9索9索とあれば9萬9筒もトイツになりやすいオカルトっぽい原理・・・上昇気流に乗っているときのトイツ手に出現しやすい

自分でオカルトとおっしゃっていますが、そんなことはありません。むしろ今までのものと比べて論理的な説明がしやすいです。

たとえば自分の手に3索3索3萬3萬とある場合、相対的に他家の手にはそれらの牌は少なくなります。すると他家の手づくりは4索9索4萬9萬を使ったものが多くなります。シュンツで考えると「456」「567」「678」「789」の四種類しかありません。なので自然と二色のシュンツ構成が、似たものになりがちです。そうなれば狙われやすい役の1つに「三色同順」があるでしょう。

さらに自分の手に9索9索があれば、他家の三色同順はさらに絞られて、自然と「456」「567」「678」に狙いが定められます。すると9萬9筒は必要ありませんから、他家から切られやすい牌になります。結果として9萬9筒は、場に出ていなければ山にあると読めるのです。

さらに言えば同様の理屈で、自分の手に3索3索3萬3萬とあれば3筒1筒2筒も)も読みやすい牌になります。土田浩翔先生がおっしゃる「相似形になりやすい」はこういう点でも当てはまるのです。

また「二色トイツ」は、相手に三色同順を狙わせることで他家の手を制限します。すると他家の手の進みを遅らせることにもなります。

「上昇気流に乗っているときのトイツ手に出現しやすい」と土田浩翔先生はおっしゃっています。この意図は、これは「二色トイツ」があることで山にあるかどうか読みやすい牌ができるし、トイツ手にとって有利な遅い展開になる可能性が高いため、自分が上昇気流にあると思ってあせらずじっくり行けばよいということなのです。(たぶん…ね)

スジ対子理論・スジ対子ランキング

土田浩翔先生は、ご自身の You tube において、スジ対子理論としてスジ対子ランキングを発表しておられます。あるトイツがあったとき、そのスジ牌のツモりやすさのランキングです。

この土田浩翔先生がおっしゃるスジ対子ランキングは、果たして本当に正しいのでしょうか。「トイツ系牌効率」視点から考察してみましょう。

Aランク

1萬4萬4萬 / 6萬6萬9萬

土田浩翔先生は、この形をAランクとしています。しかし、44のトイツがあるときの1、66のトイツがあるときの9は、スライドが起こりづらいです。つまり場に放たれにくくなるため、山読みがしづらい牌です。したがって「トイツ系牌効率」的には、1-44と66-9はDランクです。

Bランク

2萬2萬5萬 / 5萬5萬2萬 / 5萬5萬8萬 / 5萬8萬8萬

土田浩翔先生は、この形をBランクとしています。しかし、「2・5・8牌」は筋で重ねても、「3-6」や「4-7」と比べて制限する牌種が少ないです。そのためやや価値が低くなります。「トイツ系牌効率」的には、22-5・55-2・55-8・5-88はCランクです。

Cランク

1萬1萬4萬 / 3萬3萬6萬 / 4萬7萬7萬 / 6萬9萬9萬

土田浩翔先生は「4・6牌」は優しいため、引力が弱いとおっしゃっています。しかし「トイツ系牌効率」的には、33-6と4-77はAランクです。

まず33や77がトイツの時点で、すでに制限牌を2種類も作ることができています。さらに「33-66」「44-77」という相手の手を最も制限する形を狙えるからです。

それに対して11-4と6-99は、11と99のトイツが制限牌を作りません。スジ牌を重ねられれば制限牌を作れますが、それは「3・7牌」なら単独でできます。そのため「トイツ系牌効率」的には、11-4と6-99は最低ランクのEランクとなります。

Dランク

4萬4萬7萬 / 3萬6萬6萬

土田浩翔先生は、4がトイツのときの7と、6がトイツの時の3は、なかなかくっついてくれないとおっしゃいます。もちろん7と3は尖張牌といって、両面・片チャン・間チャン待ちのいずれにも関係する牌です。なので場に放たれづらく、山読みがしにくい牌です。そのため最終的な待ち牌にするのは、あまりよろしくありません。

ですが「トイツ系牌効率」的には、44-77や33-66という相手の手を最も制限する形を狙えるため、ランクは上がります。ただ、44と66自体は制限する牌がありません。その分を差し引いて、「トイツ系牌効率」的には、44-7と3-66はBランクとします。

スジ対子理論まとめ

土田浩翔先生のランクと「トイツ系牌効率」のランクが、全く違ってしまいました。これはどちらかが間違っているということでしょうか。いえ、そんなことはありません。土田浩翔先生はおそらく、イーシャンテン時や聴牌時の待ち選択に、このランクを適用させようとしておられます。

それに対して「トイツ系牌効率」では、上記で説明した内容は4トイツまでです。イーシャンテン以降の牌選択は、基本は1・9字牌で、それが足りなければ2・8牌で代用するという考えです。

それを踏まえて土田浩翔先生のランクを見てみると、待ち牌が「1・9>2・5・8>4・6>3・7」となっています。「5」は赤牌があるのでランクを上げたと考えると、通る道筋は違えど結論は同じになるのです。新幹線を使おうが飛行機を使おうが、大阪から東京へ行くことができるのと同じことです。

スジ対子理論実戦譜 最強星人位決定戦

どん兵衛 presents 最強星人位決定戦から、土田浩翔先生によるスジトイツに関する実戦譜を拝見しましょう。

東3局 ドラ9萬 北家 土田浩翔(対子星人) 30,800点
1萬9萬9萬1筒1筒2筒2筒4索4索8索8索東西 ツモ西 打1萬

捨て牌
3萬6索2索3索8筒

北家の土田浩翔先生は、6巡目にチートイツを聴牌しました。1巡目に3萬を切っていますので、その外側の1萬で待つというのも面白いです。しかし捨て牌がいかにもチートイツです。なのでリーチしても、必ずしも出やすい待ちとは言えないでしょう。

対して東は一枚切れの字牌でした。そのため山に2枚いると想定できます。そこでリーチをして、ツモっての跳満を狙う手もあります。しかし土田浩翔先生はリーチをせず、東単騎のダマに構えました。もちろんトップ目ですし、ドラドラありますから、ダマでこっそり待つのも自然な選択です。

西家の多井は、その2巡後に東をつかみます。自分ですでに切っていますので、不要牌です。捨てられるかと思いましたが、多井はそれを手に残しました。おそらくこれは土田浩翔先生ではなく、その時2つ晒していた親の日吉を警戒してのものだと思われます。これは土田浩翔先生にとっては不運でした。

そうこうするうちに南家の猿川から、リーチがかかりました。そして土田浩翔先生のツモ4筒が、現局面です。

東家 日吉辰哉(絶叫星人)/ 南家 猿川真寿(猿の惑星人)/ 西家 多井隆晴(麻雀星人)/ 北家 土田浩翔(対子星人)

さぁ、どうしましょう。猿川は打6筒の後に、安全牌になりそうな牌をツモ切っています。そのうえで、5萬切りのリーチです。すると6筒をまたぐ4筒7筒待ちはなさそうです。あるとすると1筒4筒待ちですが、自分から2筒は3枚見えですから、ワンチャンスになります。

個人的には4筒を切って東単騎ダマ続行かと考えていました。解説の松本吉弘は「ここで(ツモ切り)追いかけリーチもあるか?」と言っていました。しかし土田浩翔先生の選択は、なんと東を切っての4筒単騎待ちリーチでした。

局後、土田浩翔先生はインタビューで、こうおっしゃっています。

土田浩翔先生
土田浩翔先生

1筒がトイツなので、その引力で4筒が引けるかな、と思った

その結果はこうなりました。

東家 日吉辰哉(絶叫星人)/ 南家 猿川真寿(猿の惑星人)/ 西家 多井隆晴(麻雀星人)/ 北家 土田浩翔(対子星人)

結果は2筒で、猿川への放銃です。裏ドラも2枚のって、満貫の放銃となりました。痛すぎます。ですが、そりゃそうなるだろうという感じです。いかにもチートイツっぽい捨て牌で中張牌待ちは、チートイツ迷彩の一つではあります。しかし、今回は先行リーチがありますから、それは意味を成しません。

もう一つこのケースでは、大きなポイントがあります。局後のインタビューで、「1筒がトイツなので、その引力で4筒が引けるかな、と思った」と土田浩翔先生がおっしゃったことです。

土田さぁ~ん、自分で1筒1筒4筒はCランクと言っていますよねぇ。しかもこの場合2筒が3枚見えていますので、その引力が遮断されているじゃないですか。もう一巡待っていたら、5索をツモっています。5索8索8索ならBランクです。こちらの方がランクが上です。

また2索を猿川は切っていますので「2索5索」の両面待ちはありません。しかし「5索8索」の両面待ちについては完全なる無筋。自分の目から見て6索が1枚しか見えていませんし、自分が8索をトイツで持っていることから、「5索8索」の両面待ちは無茶苦茶ありそうなところです。

結果的には5索は通りましたが、この牌は切れないと考えて、5索単騎でリーチと行くのは有力です。結果論ですが、これなら猿川からの出和了になっています。

まぁさすがの土田浩翔先生も、たまにはこういうことがあるってことでしょう。

オカルト的スジトイツ論

さらに土田浩翔先生は、コラム中の「オカルト的スジトイツ論」として、「遠い筋は重ならない」「スジ対子3組目は当てにしないほうがいい」をあげています。

前者の「遠い筋は重ならない」は前に解説しましたので、ここでは後者の「スジ対子3組目は当てにしないほうがいい」を考察します。

スジ対子3組目は当てにしない方がいい

これは実際に牌姿を見るとわかります。スジ対子が2組完成されていて、3組目を狙おうかという牌姿は、このようなものです。

2萬2萬5萬5萬4筒4筒7筒7筒3索3索6索西北 ツモ9萬

「スジ対子3組目は当てにしない」というより、その状況はもはや5トイツ、七対子一向聴です。七対子一向聴なら3種類しか牌を持てません。ならそこには、ツモりやすい牌を選ぶべきです。

土田浩翔先生は「手牌にあるトイツのスジ牌が重なる」と言いました。しかし何度も言うようにこれは、トイツ場を予測するために筋牌を大切にすることの逆説的表現です。そしてそれは自分の手の中にスジトイツが2組ある時点で十分です。

つまり上記の手牌なら、トイツの3索の筋になっていますが、6索を切って山読みがしやすい9萬を残します。

一向聴時点では、山読みがしやすい牌を残すべきということを踏まえて、「スジ対子3組目は当てにしないほうがいい」と、土田浩翔先生はおっしゃっている(かもしれない)のです。

システムで作り出すトイツ

さらに土田浩翔先生は「システムで作り出すトイツ」にて、5つのシステムをあげています。

  1. 筋トイツは残します
  2. 自分が河に切っている牌の筋は切ります
  3. トイツの隣は切ります
  4. 3・7から切ります
  5. 1枚切れの1・9字牌は残します

このうちⅠとⅢはすでに解説しました。残るⅡ「自分が河に切っている牌の筋は切ります」Ⅳ「3・7から切ります」Ⅴ「1枚切れの1・9字牌は残します」を考察しましょう。

自分が河に切っている牌の筋は切る

このシステムは、Ⅰ・「筋トイツは残します」との対比になっています。つまり自分の手の中にあるトイツの筋牌は残します。しかし捨てた牌が被ってしまったとき、その筋牌は捨てましょう、ということです。

自分の手にあるトイツの筋牌と、河にあるトイツの筋牌は何が違うのでしょうか。自分の目から見るとどちらも同じように思えます。ですが他家の立場に立って考えると、その二つは全く違います。

自分の手にあるトイツの筋牌を切っても、他家には何も伝わりません。しかし河にあるトイツの筋牌を切ると、その部分を待ちにするリャンメンターツの価値が下がります。そしてトイツ場傾向が、他家に伝わるのです。

つまり「自分が河に切っている牌の筋は切ります」というシステムは、「捨て牌でトイツ場を演出しましょう」と同義です。すると行動としては、「自分が河に切っている牌の筋を切る」だけではなく、他家の捨て牌に合わせることや、その筋牌を切ることも含まれるでしょう。

さてトイツ場傾向を河で演出することで、何が起こるのでしょうか。そもそもその場がトイツ場であるなら、何も変わりません。そのトイツ場傾向が、そのまま河にあらわれただけですから。

ですがその場が混合場やシュンツ場だったとしたら、河のトイツ場傾向によって、他家はいつもと違う行動をとるかもしれません。例えばリャンメンターツに固定するところを複合形で持ち続けたり、ポンで仕掛けたりです。

その結果として以前述べたように、混合場やシュンツ場だったものが、トイツ場へと人為的に変わる可能性があります。これは七対子を考えている自分にとってはいい傾向です。手と場が一致するからです。

まとめるとこれは、「自分が河に切っている牌の筋は切る」ことによってトイツ場傾向を演出し、七対子に有利な場を作り出すシステムなのです。(たぶんね)

3・7牌から切る

「3・7牌から切る」と言われても、ここだけではなかなか意図がわかりません。続きをもう少し引用させていただきましょう。

3・7から切ります。3・7の孤立牌があったら、そこから切ります。3・7はシュンツ手のキー牌ですから、トイツ手にとっては筋トイツでない限り無縁です。ただし、調子が悪いときは、シュンツ手の時と同様に逆流打法で3・7を残します。

まず大前提として、「3・7牌」は手の中に使われやすい牌です。なので山読みがしづらく、七対子の待ち牌としては不向きです。トイツ手を狙うなら、土田浩翔先生が「3・7牌から切る」とおっしゃるのは、至極当然です。

ですがそれは承知で、これまで私は3・7牌の重要性を述べてきました。トイツ系牌効率において3・7牌こそ残すべきと主張してきたのです。それとこの土田浩翔先生の話は真逆です。さてどちらが正しいのでしょうか。

実は3・7牌を残すか残さないかは、役牌の先切りと同じ感覚です。配牌に役牌の孤立牌があるとします。その役牌は自分の手が良いときは、他家に重ねられる前に切ります。自分の手が悪いときは、他家の手を進めないよう絞ります。

3・7牌もそうです。自分が七対子に進めそうなら、他家に鳴かれる前に切ります。自分が苦労しそうなら、3・7牌を押さえて、できることなら重ねてしまうことで、他家の手を進めないようにするのです。

すると、このトイツ系牌効率と土田浩翔先生の話とは、完全に整合性が取れます。前章で述べたように、そもそも私の言うトイツ系牌効率は「諦めの牌効率」です。土田浩翔先生も調子が悪いときは3・7牌は残すとおっしゃっています。トイツ系牌効率は、土田浩翔先生が言うところの「調子が悪いとき」の牌効率なのです。

さて、以前解説した「孤立牌ランキング」です。

先程の話を踏まえると、「トイツ系牌効率の孤立牌ランク」が、土田浩翔先生の「ツキの無いときのランキング」と同じになるのも理解できます。土田浩翔先生は「調子が悪い」「ツキがない」といいますが、その真意は局面の判断です。行くべきか、引くべきか。その「引くべき」を「調子が悪い」「ツキがない」とおっしゃっています。

言い換えるなら、トイツ系牌効率の「3・7牌残し」は受けの七対子で、土田浩翔先生が言う「3・7牌から切る」は、攻めの七対子です。コインの裏表の関係なのです。

1枚切れの1・9字牌は残す

これは分かりやすいですね。統計にあるように、1枚切れの1・9字牌は山読みがしやすい牌です。特に中盤以降はその精度が高まりますので、意識しておくべきです。

しかし、土田浩翔先生はコラム中の「字牌への依存度を下げる」にて、次のようにもおっしゃっています。

字牌への依存度を下げる

字牌を頼りにしすぎないということも七対子づくりではとても大事です。七対子のサンシャンテン、つまり3トイツのときには、字牌は4種類まで持っていてもいいです。リャンシャンテンになったら3種類以下、イーシャンテンになったら2種類以下まで持っていていいです。イーシャンテンになって字牌、字牌、字牌と持っている人がいますが、これはナンセンスです。七対子づくりではもっと数字の牌を活躍させてください。

これはどういうことなのでしょうか。別に「字牌、字牌、字牌」のイーシャンテンでもいいではないでしょうか。実際この字牌三頭立ての七対子イーシャンテンは「ヒサトイツ」として、佐々木寿人プロの得意技です。

ですが土田浩翔先生の言葉には、やはり深い意図があります。字牌三頭立ての七対子イーシャンテンは確かに山読みもしやすい良い形です。ですが終盤にもなると、同じように山読みのしやすい数牌も出てきます。

七対子バレバレの字牌待ちと、山に残っていそうな数牌待ち。どちらが良いでしょうか。ツモに関しては同じです。ですが数牌待ちの方は七対子の盲点になって、出和了の可能性もあります。機械的に字牌を残すのではなく、「しっかり河を見て、山に残っていそうな牌を探す努力を怠ってはいけませんよ」という、戒めなのですね。

また最終的に字牌待ちにするにしても、リーチ宣言牌が数牌だと、捨て牌の印象が変わります。宣言牌が字牌だと、待ち牌はその字牌よりもよい単騎待ちだろうと推測されます。そして出和了が期待できなくなります。

ですが、リーチ宣言牌が数牌だと、待ち牌が絞りづらくなります。またチートイツっぽい河であっても、数牌切りリーチなら、「なぜチートイツにそんな牌を残していたのか?」とチートイツそのものへの疑念を抱かせる可能性もあります。

「イーシャンテンで、字牌、字牌、字牌はナンセンス」というのは、そういった様々な含みを持たせた深い言葉なのですね。

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